国会の動き

改正建設業法など、7日に成立した法律

7日に参議院本会議で可決、成立した、改正建設業法、改正銃刀法、改正学校教育法について簡単にまとめました。

改正建設業法など

建設業の2024年問題で深刻化する人手不足に対応するため、現場で働く人の賃上げや働き方改革などの処遇改善、生産性向上などに取り組むための法律です。労務費の適正確保を建設業者に義務付け、低い労務費による見積依頼を禁止します。また、資材高騰時の請負代金変更方法を契約書に明記し、誠実に協議する義務を設けました。さらに、長時間労働の抑制やICTを活用した生産性向上を推進し、現場技術者の要件を緩和することで施工体制の合理化を図ります。
 

改正法のポイント
 
1. 労働者の処遇改善
 労務費の適正確保を建設業者に努力義務化
  国が取組状況を調査・公表
 標準作業時間の設定
  中央建設業審議会が「労務費の基準」を作成・勧告
 低い労務費による見積依頼の禁止
  国が違反発注者を勧告・公表
 原価割れ契約の禁止
 
2. 資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止
 契約前のルール
  資材高騰や請負額に影響する情報を注文者に提供することを義務化
  資材高騰時の請負代金変更方法を契約書に明記
 契約後のルール
  資材高騰時に受注者が変更協議を申し出る際、注文者は誠実に協議する義務
 
3. 働き方改革と生産性向上
 長時間労働の抑制
  工期ダンピング対策強化(短工期による契約締結を禁止)
 ICTを活用した生産性向上
  現場技術者に係る要件緩和
  国が現場管理の指針を作成
  施工体制の合理化
 
※国土交通省の資料から引用

建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案
国土交通省 – 法案の概要など
参議院 – 審議経過など

改正銃刀法

おととし7月の安倍元首相銃撃事件や、去年5月に長野県で警官を含む4人が殺害された事件など銃を使った凶悪事件が相次いだことを受け改正されました。発射罪の対象拡大や拳銃以外の所持罪の罰則強化に加え、インターネットでの悪質情報対策として、銃砲所持をあおる行為に新たな罰則が設けられています。また、電磁石銃が「銃砲」に追加され、所持が禁止されます。ハーフライフル銃の定義変更により厳格な許可基準が適用され、猟銃の長期未使用による許可取消期間も3年から2年に短縮されました。

改正法のポイント
 
1.自作銃砲も含む銃砲の悪用防止対策
 銃砲の悪用に関する罰則強化
  発射罪の対象拡大
  拳銃等以外の所持罪の罰則強化
 インターネット等での悪質情報の対策
  拳銃等の所持罪に当たる行為等を公然、あおり・唆したことに対する罰則を整備
 電磁石銃の「銃砲」への追加
  電磁石の磁力で金属性弾丸を発射する銃の所持を禁止
 
2.許可猟銃の対策
 ハーフライフル銃の規制強化
  ライフル銃の定義を変更し、ハーフライフル銃にも厳格な許可基準を適用
 眠り銃の許可取消要件の厳格化
  猟銃の長期未使用による許可取消期間を3年から2年に短縮
 
※警察庁の資料から引用

銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案
警察庁 – 法案の概要など
参議院 – 審議経過など

改正学校教育法

専門学校の入学資格を大学と同様に見直し、学習時間の基準を「単位数」で定められるようにします。また、一定の要件を満たす専門課程に専攻科を設置し、その修了者は「専門士」と称することが可能に。さらに、専門学校には大学と同等の自己点検評価が義務付けられ、外部評価を受ける努力義務も導入されます。

改正法のポイント
 
1.大学等との制度的整合性を高める措置
 専修学校専門課程(専門学校)の入学資格を見直し、大学の入学資格と同様の基準とする
 学習時間に関する基準を「単位数」により定めることができるようにする
 
2.専門課程修了者の学修継続の機会確保と社会的評価の向上
 一定の要件を満たす専門課程に専攻科を設置可能とする
 専攻科修了者は「専門士」と称することができる
 
3.教育の質の保証を図る措置
 専門学校に対し、大学と同等の項目での自己点検評価を義務付ける
 外部評価を受けることを努力義務とする
 
※文部科学省の資料から引用

関連リンク
学校教育法の一部を改正する法律が参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました – 文部科学省
 

学校教育法の一部を改正する法律案
文部科学省 – 法案の概要など
参議院 – 審議経過など

関連リンク

法律案の提出・成立件数 第213回国会(常会)(令和6年1月26日~) – 内閣法制局

政治資金規正法の改正案、衆院を通過前のページ

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