政府の動き

デジタル技術を最大限に活用、行革会議が最終とりまとめ

政府は18日、首相官邸でデジタル行財政改革会議を開催し、急速な人口減少と高齢化が進む中で行政サービスの維持・強化と地域経済の活性化を目指すデジタル行財政改革の3文書を決定しました。デジタル技術を最大限に活用し、公共サービスの効率化と質の向上を図ります。

決定された3文書は、「デジタル行財政改革取りまとめ2024」「国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針」「デジタルライフライン全国総合整備計画」です。

岸田首相は会議で「決定した3文書に基づき、デジタルを活用した社会変革を進めてまいります」と述べました。

「デジタル行財政改革取りまとめ2024」の要旨は以下になります。

基本的な考え方と背景

日本は生産年齢人口の減少と高齢化の進展により、公共サービスの提供が困難になることが予想されています。このため、デジタル技術を活用して利用者起点で行財政の在り方を見直し、公共サービス等の維持・強化と地域経済の活性化を図り、持続可能な社会を実現することが求められています。デジタル行財政改革の基本方針は以下の3つです:

 1: 公共サービスの質向上と効率化
 2: デジタル技術を阻害する規制の見直し
 3: エビデンスに基づく政策評価(EBPM)の推進

具体的な改革内容

交通分野

 ドライバー確保と自家用車の活用
 ・地理試験の廃止や多言語対応による外国人ドライバーの積極採用
 ・自家用有償旅客運送の制度改善と地域の自家用車活用事業の創設
 ・ライドシェア事業のモニタリングと評価を通じて、法制度の見直しと事業の適切な運営を図る

 自動運転の事業化
 ・全都道府県での自動運転初期投資支援
 ・交通事故に関する社会的ルールの策定と保安基準の作成
 ・審査手続の透明性・公平性の確保と審査効率化

教育分野

 校務DXの推進
 ・クラウドサービスの活用とペーパーレス化の促進
 ・教育データの利活用と全国的なデジタル教材プラットフォームの整備
 ・GIGAスクール構想による教育環境の格差是正

 オンライン教育と民間人材活用
 ・オンライン教育の推進と民間人材の活用
 ・特別免許状等の活用促進

子育て支援

 プッシュ型子育て支援の実現
 ・子育て支援制度レジストリの整備と出生届のオンライン化
 ・電子版母子健康手帳の普及と自治体間連携システムの構築

 保育DXによる現場負担軽減
 ・保育業務ワンスオンリーの実現に向けた施設管理プラットフォームの全国展開
 ・保育現場のICT環境整備

介護・医療

 介護の生産性向上
 ・介護ロボットの導入補助と介護報酬改定の反映
 ・人員配置基準の特例的柔軟化

 医療のデジタル化
 ・電子処方箋の導入促進
 ・リフィル処方・長期処方の活用推進
 ・オンライン診療・遠隔医療の拡充

防災

 災害時の情報共有体制強化
 ・広域災害における被災者情報マスターデータベースの構築
 ・防災デジタルプラットフォームの構築

 避難者支援のデジタル化
 ・マイナンバーカード活用による避難所運営の効率化
 ・AIやドローンを活用した被害認定調査の効率化

関連リンク

デジタル行財政改革会議 – 「デジタル行財政改革 取りまとめ2024」など会議で決定された3文書、各回の資料など。内閣官房
デジタル行財政改革会議 – 首相官邸(2024年6月18日)

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