府省庁の動き

「闇バイト」対策に17.3億円を計上、 サイバー攻撃への対処能力を強化:2025年度予算、警察庁関係

ポイント
・2025年度予算案額は2,875億円で、前年度比2.4%増(68億円増)
・いわゆる「闇バイト」対策のための予算として17.3億円を計上したほか、サイバー空間の脅威への対処のための予算を増額し53.0億円を計上
・2025年大阪・関西万博の警戒警備等の実施のため20.9億円を計上

警察庁 2025年度予算案の概要

昨今、いわゆる「闇バイト」に端を発する連続強盗等事件や政府機関・民間事業者等を狙ったサイバー攻撃が発生するなど、国⺠の体感治安に大きく影響を及ぼす事態が生じている。これを受け、警察庁は、警察の取締り能⼒の強化やインターネット上の違法・有害情報対策等の予防対策の強化を通じて、必要な対処能⼒を強化する等としている。これらに必要な経費として、同庁は2025年度予算に2,875億円を計上した(前年度比2.4%増で、68億円増)。警察庁関連予算のポイントは以下のとおりである。

「闇バイト」対策関連事業

いわゆる「闇バイト」に端を発する凶悪な強盗事件等に対し重点的な対策を行うため必要な対処能力を強化するとし、関連経費として17.3億円を計上した。内訳は、捜査分析に必要な端末等の整備を始めとする取締り能力の強化に12.6億円、インターネット上の違法・有害情報対策等の予防対策の強化に4.6億円である。なお、24年度補正予算には、いわゆる「闇バイト」による強盗事件等への対策のため、匿名・流動型犯罪グループ等の実態解明・取締り強化に必要な装備資機材の整備等に必要な経費として6.6億円が計上された。

いわゆる「闇バイト」対策をめぐっては、「仮装身分捜査」(捜査員が仮装の身分を使用して捜査対象者と接触するなどして、情報・証拠の収集を行う捜査手法)の導入が決定されており、今後、犯行発生前の摘発や募集の抑止につながることが期待されている。

サイバー空間の脅威への対処

サイバー空間の脅威が極めて深刻な情勢にあることを踏まえ、サイバー犯罪・サイバー攻撃への対処能力を強化するための経費として53億円を計上した。なお、24年度補正予算では、サイバー事案に係る情報を収集・分析する資機材等の整備に必要な経費として88.8億円が計上された。

テロ対策と大規模災害等の緊急事態への対処

2025年大阪・関西万博の警戒警備等の実施に要する経費として20.9億円が新規計上された。

犯罪被害者等施策の一層の推進

犯罪被害給付制度の改正に伴う犯罪被害者等給付金の支給額の引上げに対応するとともに、犯罪被害者等の支援のための多機関ワンストップサービスを都道府県単位で整備するなど、犯罪被害者等に対する支援を推進するための経費として22.5億円を計上している。

関連リンク

予算・決算 – 警察庁
令和7年度予算(案)の概要 – 警察庁
令和6年度警察庁補正予算(第1号)の概要 – 警察庁
令和7年度予算のポイント 経済産業、環境、司法・警察関係予算 – 財務省

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